こたつ と申します。
by kotatsurock
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風景
 市内電車(路面電車)に乗った。
 座ったのはゆずり合いの席のとなり。
 地方で言い方が異なると思うけど、ゆずりあいの席というのは、優先席と名がついているのを見たこともある、お年寄りや体の不自由な人と乗り合わせたら譲りましょうねという席。
 私が座ったときはまだ空いていた。
 ゆずりあいの席は2人分のスペースがある。
 次の電停から乗ってきたおじいさんがひとり、ゆずりあいの席に座った。
 また次の電停でおじいさんが乗ってきた。1人分まだ空いていたけど、少し狭かった。他に空席は無い。おじいさんは通り過ぎて前の方へ行こうとした。私は少し腰を浮かせて、言葉は出さなかったけれどおじいさんに座るようすすめた。おじいさんはすんませんのと言葉には出さなかったけど、ちょこっと頭を下げて座った。私がほんの少し寄って、おじいさんの座るスペースを広げようとしたら、私の隣の人、また隣の人とほんの少し寄ってくれた。難なくみんな座れた。
 次の電停からはたくさんの人が乗ってきた。またひとりおじいさんが乗ってきて一番前まで歩いていった。一番前の人がなんとかスペースを作り、そのおじいさんも座れた。

 なにやら外国の言葉が聞こえてきた。英語ではなかった。最初、中国語かなと思った。しかし、なんとなく中東の言葉かなと思えてきた。大きな声で話していた。女性と子どもだったのかな。

 それから、ゆずりあいの席に座った最初のおじいさんが降りていった。すると、私の隣に座った2人目のおじいさんが、その席の横に立っていた外国の言葉をしゃべる人に、座るようすすめた。声は出さずに、手のひらで示しただけ。
 電車はなかなか混んでいた。

 聞こえる声は外国語だけ。私は耳をかたむけていた。当然意味は分からない。けれど繰り返される言葉があった。笑い声が混じっていた。その話し声が、私には心地よかった。

 そして、2人目のおじいさんが降りていった。その席の前に立っていた女性は、もしかするとおばあさんかもしれないと思ったけれど、座らずに、立っていたもうひとりの外国語を話す子どもに席をすすめた。
 ここではじめて知っている言葉が聞こえた。
 「ナマステ」
 「ナマステ」
 女性は次の電停で降りていった。
 おじいさんが2人座っていた席に、女性と子ども2人が腰をかけた。ゆずりあいの席はほんの少しスペースが空いていた。
 私もじきに立って、電車を降りた。
 外からゆずりあいの席あたりの窓に目をやった。電車内の明かりに照らされた、横を向いて語り合う後ろ姿は走り去っていた。
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by kotatsurock | 2006-12-29 21:50 | つぶやき | Trackback | Comments(0)
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